イギリスグローバル銀行の縮小。これからどうなる??
15%の削減というのは最大で3万5千人が仕事を失うということです。
ちなみに、3万5千という数字は日本であれば、「北海道稚内市」「山梨県山梨市」「千葉県いすみ市」「京都府綾部市」の人口に相当します。
小さな市ではありますが、一つの市の人々が全移動することを考えるとインパクトはありませんか?
大手グローバル企業が大きく向きを変えるだけで、このレベルの経済的な動きを生じさせてしまうのは大変恐ろしいことですね。
HSBCが発表した2019年の年次レポートによると、
CEOいわく、「2019年の業績は回復力があったが、許容できる利益を出せていないため、投資家への利益を増やす計画として、未来への投資へのキャパシティを増やし、持続可能なプラットフォームを構築する計画を立て取り組んでいるとのこと。」
翻訳はとても難しいのですが、直訳で弾力性、回復を表す言葉を使っており、回復傾向といえていないのは大変苦しそうですね。
“The Group’s 2019 performance was resilient, however parts of our business are not delivering acceptable returns. We are therefore outlining a revised plan to increase returns for investors, create the capacity for future investment, and build a platform for sustainable growth. We have already begun to implement this plan, which my management team and I are committed to executing at pace.”
引用元:メディアリリース「HSBC Holdings plc Annual Results 2019」より
HSBCは、ここ数年でアジアでの投資は利益を出すことができているようですが、欧米ではうまい結果が出せていないようです。
利益が下がった理由は73億分の減損によるものなので、悪くはないようです。ただ事業規模が縮小していることは間違いありません。
そこで、HSBCでは今後の経済成長率の長期的低下を予想して、今回のリストラで効率化をしようとしています。他にも理由が気になる方は、チェックしてみてください。
“Goodwill impairment of $7.3bn, primarily $4.0bn related to Global Banking and Markets (‘GB&M’) and $2.5bn in Commercial Banking (‘CMB’) in Europe. This reflected lower long-term economic growth rate assumptions, and additionally for GB&M, the planned reshaping of the business.”
引用元:メディアリリース「HSBC Holdings plc Annual Results 2019」より
そういえば、2~3年前に日本のメガバンクでも縮小がありましたね。3つの銀行における縮小規模の合計が、今回のHSBCと同じくらいです。
銀行窓口で手続きをすると、投資商品は選べなかったり、手数料が高かったりで明らかに無駄が大きいことがわかります。
2015年ほどからFinTechが国内でも注目を浴び、銀行は消える、不要だなどと言われたこともありましたが、将来的に銀行はどうなっていくのでしょうか・・・・
スマートフォンが使えない世代(60代以上?)がいなくなる30年~40年後には、銀行の店舗は役所くらいの数になっていそうです。
そのころには、ブロックチェーン、AI、顔認証などは当たり前(もしかしたら古くなっているかも)。さらに電子決済がメインになったら、店舗はいらないですもんね。
身分証をパッとみて終わる本人確認なんかよりもしっかりしている気がします。
店舗に行って、何をするんだろうか・・・
そのころ私も高齢者ですが、さらに便利な未来になっていてほしいですね。
話を戻して、最後にHSBCの株価と利益のチャートを載せておきます。
1998からのロングチャート
引用元:TradingViewより
HSBCの収益増減(2019年は途中まで)
引用元:MacroTrendsより